エレクトリック・ギター
<リッケンバッカー・325(Rickenbacker 325)(1本目)>
ジョンが初めて入手したリッケンバッカー。1958年製。ショートスケール。元々、購入当時はナチュラルカラー(リッケンバッカー社でのカラー・ネームは「メイプル・グロー」)で、コフマン・バイブローターが付けられていた(後にビグスビーB5・トレモロユニットに交換)。トゥーツ・シールマンスをハンブルク巡業で見て影響されて購入した。1962年後半にはブラックの塗装を施し、1964年までメインギターとして使用。その後2本目のリッケンバッカー・325に移行してから、一度も表舞台へ出ることがなかったため、『エド・サリヴァン・ショー』の収録現場で盗難にあったとの説が長い間語られていた。しかし近年になり、ジョンが保管し続けていたことが判明。1970年代初頭にブラックから、元のナチュラル塗装へ戻すリペアが施されていた(さいたまスーパーアリーナ内にあるジョン・レノン・ミュージアムにて展示)。
また、近年リッケンバッカー社からジョンが購入当時の仕様を再現した「リッケンバッカー325C58」(Cシリーズ)が発売された。当時の仕様を再現するため、日本でビートルズ使用楽器を主に扱っているギターショップ「with」でリペアを担当する大金に依頼し、ジョン・レノン・ミュージアムに何度か通い、その調査のメモを参考に再現された。現在は生産終了となっている。
<リッケンバッカー・325(Rickenbacker 325)(2本目)>
ジョンがリッケンバッカー社にオーダーして作らせた2本目のリッケンバッカー。1964年製ブラックカラー(リッケンバッカー社でのカラー・ネームは「ジェット・グロー」)。1本目の325よりもボディは薄くなっており、台形のブリッジにトレモロアームが付いているなど、細かい点で仕様が異なる。ネックは3ピース・メープル・ネック。1964年のクリスマスショーの最中にジョンが落としてしまいネックが破損する。1965年いっぱいまでメインギターとして使用された。1967年の「サージェント・ペパーズ?」レコーディングセッション中スタジオ内に置かれている写真が残されているものの、実際に使用されたかどうかは不明。
現在は1本目のリッケンバッカー・325とともにジョンレノン・ミュージアムに展示されている。裏から見るとネック裏の傷がはっきり見て取れる。またビートルズの1965年のイギリス公演のセットリスト(曲名は略記してある)が書かれた小さな紙が、向かって左のカッタウェイ側面にテープで貼られたままになっている。
<リッケンバッカー・325(Rickenbacker 325)(3本目)>
1965年、ポール・マッカートニーに贈られた4001ベースと同時に、リッケンバッカー社よりイギリス代理店のローズ・モーリス社を通じてプレゼントされたもの。当時のヨーロッパ市場での市販品で、欧州でのモデル名は1996となっている。仕様は基本的に2本目に準じるが、カラーが4001ベースやジョージ・ハリスンの360-12と同じファイア・グロー(チェリー・サンバースト)で、ボディの左側にfホールが開けられている。1965年のイギリス公演で2本目と併用された。使われなくなった1966年以降、リンゴ・スターに譲渡された。
<リッケンバッカー・325-12(Rickenbacker 325-12)>
ジョンがリッケンバッカー社にオーダーして作らせた325の12弦タイプ。1964年製ブラックカラー(リッケンバッカー社でのカラー・ネームは「ジェット・グロー」)。
本来、325など末尾に5が付くモデルはトレモロ・アーム付きだが、このギターが製作された時期は、まだそれが徹底されておらず、このギターもアームが付いていないにも関わらず325-12となっているが、1964年より、末尾に5が付くモデルはアーム付きであることが徹底されたため、320-12と改番された。
現在は、オノ・ヨーコが所有。
<ギブソン・J-160E(1本目)>
1962年9月にジョージと一緒に購入したエレクトリック・ギター。ボディカラーはサンバースト。ボディシェイプはJ-45と同じだがネックのジョイント位置が異り、ボディ内部の構造も異なる、J-45がXブレイシングに対してJ-160Eがラダーブレイシングとなる。
ヘッドシェイブは大型でインレイも入りJ-45とは全く違う、
糸巻きもJ-45が三連に対し独立型になる、糸巻のツマミ部分もコブが二つあるタイプ。
ボディトップはハウリング防止のため、合板を使用している。
そのため生音で鳴らした場合、通常のアコースティック・ギターより鳴りが抑えられ音量も小さいが、J-160Eでしか出せない独特の生音でありビートルズ・サウンドの大きな要素となっている。
カバーのないP-90ピックアップがフィンガーボードの付け根の所に付けられており、そこから音を拾ってアンプなどへ出力する。この音もまた初期ビートルズ・サウンドを生み出している要素である。1963年末に消失。盗難説と破損説があり、ジョンは盗まれたと思っているが、後に語ったジョージの証言によると「運搬中のトラックの荷台からケースごと落下しバラバラになった」とのこと。ちなみに最近の調査で、現在ジョージの遺族が保管するジョージのJ-160Eは、元々購入時にはジョンのものであったことがシリアルナンバーから判明。まったく同じ仕様であるため、途中から互いのギターを取り違えて使っていたようである。
<ギブソン・J-160E(2本目)>
2本目のJ-160Eは1本目とは若干仕様が異なる。
大きな違いはサウンドホール周りのリング、1台目がワンリングに対して2台目はツーリング、
ブリッジも1台目が木製に対して2台目が黒いプラスティック製になる。
ジョンが生涯愛したギターである。1966年にはピック・アップがサウンド・ホール後方に移設される。1967年には波形のサイケデリック・ペイントが施されるが、1968年にはエピフォン・カジノらと共に塗装を剥がされ、ピック・アップの位置も復元される。ピック・ガードも形状の異なる新たなものが取り付けられた。1969年のベッドインのときには、ボディにジョンとヨーコの似顔絵イラストが描かれていた。「ジョン・レノン・ミュージアム」にそのときの状態のレプリカが展示されている。実物はアメリカ・オハイオ州クリーブランドにあるロックの殿堂に展示されている。
<フェンダー・ストラトキャスター>
ボディカラーはソニックブルー。主に『ラバー・ソウル』レコーディング・セッションで、ヴォックスAC-30に繋いで使用。映画『イマジン』など、アルバム『イマジン』制作風景を納めたフィルムにおいて、ジョージ・ハリスンが使用している、ネックを50年代製のメイプル・フィンガーボードのものに交換されたモデルのボディとアッセンブリが、それと同一品とする説がある。1980年のフォト・セッションで、当時の新品であった赤いザ・ストラトを弾いているものがある。
<エピフォン・カジノ>
1965年に、以前から同器を使用していたポール・マッカートニーに勧められてジョージ・ハリスンと共に購入。ジョージのカジノとは色合いや仕様(トレモロアームの有無など)で若干の違いがある。同年の『ラバー・ソウル』セッションから使い始め、1966年からはジョージと共にコンサートでのメインギターとしても使用。日本公演でも使用した。
元々のボディカラーは黄色味がかったサンバーストであったが、1967年の『サージェント・ペパーズ?』レコーディングセッション中に、ボディ裏面を白くスプレーしている。同年の「愛こそはすべて」の衛星中継リハーサルにて、ジョージがこのギターを借りて使用している(本番では自身のストラトキャスターを使用)。翌1968年の「ヘイ・ブルドッグ」レコーディング直後にボディのサンバースト塗装を剥がして木の地肌を露出させたナチュラル仕上げにする。この頃ビートルズのメンバーは、ギターの塗装をはがすことによる音質の変化に期待していたようで、ジョージ・ハリスンのカジノとポール・マッカートニーのリッケンバッカー4001Sも塗装をはがしナチュラル仕上げを施している。同時に、リアピックアップのヴォリューム・ノブを、標準のゴールドからブラックに差し替えた。その後、1971年の『イマジン』レコーディング・セッションまで使用。その後、コレクションとして大切に保管していた。
ブリッジ・サドルは現行の仕様とは異なり、プラスティック樹脂を使用している。そのため音が若干柔らかめになっている。
現在はジョン・レノン・ミュージアムに、ブラックノブと共に展示されている。
<ギブソン・レスポール・ジュニア>
1971年、ニューヨークに移住してから入手。当時ジョンは、ボブ・マーリーをはじめとしたレゲエに心酔しており、マーリーが同じモデルを使用していたため、それに倣って入手したという。ギブソンJ-160Eやエピフォン・カジノと同じくP-90ピック・アップを搭載しており、ジョンのギター・サウンドにおける指向が窺える。フロントに、ギブソンES-150用のオールドタイプのピック・アップ(通称チャーリー・クリスチャンPU)を追加、PUセレクターの増設、ブリッジとテイルピースの交換を施し、より実用性を高めている。カラーは、当初サンバーストだったが、チェリー・レッドにリフィニッシュされた。アルバム『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』レコーディングや、1972年のTV番組『マイク・ダグラス・ショー』出演時に使用されたが、1972年8月30日にNYのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたチャリティ・コンサート『ワン・トゥ・ワン』での使用が最も有名。
現在は、ジョン・レノン・ミュージアムに展示されている。
また、実物を再現したシグネイチャー・モデルが発売されており、福山雅治やASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文らが愛用している。
フィクション
・ジョン・レノン僕の戦争 - ''HOW I WON THE WAR''(1967年)[映画 & VHS & LD]
関連
・僕たちの時間 [映画 & VHS]
・チャプター27 - ''CHAPTER 27''(2007年)[映画 & DVD]